公益法人の会計・税務業務をおこなっています。公益法人は一般企業に比べて運営基準が厳しいので、税務に関する仕事だけではなく、運営のサポートも行っています。
― やはり一般企業とはだいぶ勝手が違いますか?
そうですね。やはり一般企業とは会計基準が違いますし、NPOや宗教法人、学校法人など、法人格によっても基準はまちまちです。証憑の名前も対応の仕方も違うので、すべての案件を種類ごとにわけて考えなくてはいけません。
― 現在、特に力を入れている仕事はありますか?
今は法改正に伴う移行業務を多く扱っています。現行の財団法人・社団法人が「一般法人」「公益法人」に移行するための手続きのお手伝いをさせていただいています。やはり公益法人格のほうがステイタスがあり税制優遇も多いのですが、そのぶん移行基準が厳しく、また、公益法人になると簡単には一般法人には変更できないので、慎重な判断が必要です。
― まさにオンシーズンの制度移行業務について、特に気をつけている点はありますか?

コミュニケーションをきちんと図ることですね。法人の理事長にあたる方は、大手企業の会長や社長を兼務されている場合も多く、直接お会いする機会が得られないことも多いんです。しかし、だからといって事務方や中間管理職の方の話だけで判断すると、方向性にズレが生じる場合もあります。法人格の変更は組織に痛みを伴う出来事なので、その組織が将来どうありたいかを見極めて、適切なコンサルティングをおこなうよう心がけています。
公益法人の設立から解散まで、様々な種類の法人を手掛けてきました。特に印象に残っているのは、入所後すぐに手掛けた財団の設立運営業務です。2年ほど携わったのですが、週の半分以上を先方で過ごし、職員の一員に近い立場からお手伝いしました。事務方の日々の業務から理事長の意思決定をする場面まで間近で見てきましたので、大変に勉強になりました。
設立に携わることもあれば、その逆もあります。維持費の問題などで運営が厳しくなった法人の解散にも関わり、資産の整理や寄贈、社員の解雇、監督官庁との交渉なども行いました。
― 顧問先に対して特に気をつけている点はありますか?
顧問先が公益に関する法人である以上、外部や社会の目も考えなければならないと肝に銘じています。また、お金の価値を忘れないことも大切ですね。こういう仕事をしていると数字だけで捉えてしまいがちになりますので。あと、理事長とできるだけコミュニケーションをとりたいと思っています。より良い運営のお力添えをするためには、より深く理解しなければと考えています。
大学時代に学んだ簿記の授業が面白かったことですね。仕訳帳への記入や、数字の計算、作業そのものに達成感がとてもあり、楽しく学ぶことが出来ました。一方でサービス業がもともと好きで、学生時代は接客のアルバイトばかりしました。人の役に立ち、喜んでもらえることを仕事にしたい。税理士なら、直接社長の役に立ち、経営を支援することで、喜んでもらえるのではないか。会計もサービス業なのではないか、と思い志望しました。
― サービス業であると意識する場面はありますか?
私の担当する公益法人部のお客様は、学校・博物館・伝統芸能・市町村出資の関連法人など様々です。それぞれに込み入った問題が多く、この場合はこうなどというマニュアルでは対応できません。私は、ひとつひとつ丁寧にコミュニケーションを重ねて、解決するしかないと思っています。それはまさに、サービス業であると確信しています。そして、毎回、人間力を試されているような気持ちになりますが、お一人おひとりの力になれるよう、心をこめて笑顔でしっかり応対したいと思っています。








